箕輪厚介氏 トークイベントレポート(2022年3月21日)

3月21日(月)に就活カフェ「NANA-SHOKU」で開催された、箕輪厚介氏 ぶっちゃけトークスペシャル!!
改めましてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
参加できなかった方のために、弊社社長武友と箕輪厚介氏のトークイベントの様子をお届けします!

□箕輪厚介氏プロフィール

経歴
2010年:株式会社双葉社 入社
2014年:同社編集部 異動
2015年:株式会社幻冬舎 入社
2017年:オンラインサロン「箕輪編集室」主催
2018年:『死ぬこと以外かすり傷』出版
2021年10月:専門雑誌『サウナランド』創刊

その他、見城徹氏『たった一人の熱狂』、堀江貴文氏『人生の仕事論』、前田裕二氏『人生の勝算』、落合陽一氏『日本再興戦略』を担当

 

□講演会開催の背景

武友:今回なんで箕輪さんに講演にきていただくことができたかについてお話をしたいのですが、その前に箕輪さんのツイッターをフォローしている方はいますか?

箕輪さん:誰もいない!(笑)

武友:フォローしてないのに今日来てくれたんですね(笑)

箕輪さん:素晴らしい(笑)

武友:3〜4ヶ月前にツイッターで、箕輪さんが「地方に講演しにいきます」というのを呟いてらっしゃったんです。私がそれに「ぜひ来てください」とメッセージをしたところ、お返事をいただきました。あれは抽選ですか?

箕輪さん:そうそう、大体ね。

武友:この間沖縄県も行かれていて、全国に行ってらっしゃるんですね。静岡県に積極的に来るのはやっぱりサウナしきじがあるからですか?

箕輪さん:いや、静岡はね、掛川市の五輪という会社のコンサルをやってるんですよ。正確にいうと、コンサルって言っても何もやってないんだけど、コンサル料をもらってたまに掛川市で社長と飲むっていう仕事です(笑)

武友:そんなお仕事があるんですね(笑)じゃあそのためにちょくちょく来てらっしゃるんですね。

箕輪さん:だから結構来てますよ。年に10回は来てるんじゃないかな。

 

□就活とは何か

武友:去年の11月に「NANA-SHOKU」というカフェをオープンしました。就活がテーマで、学生と協賛企業が自由に対話ができます。今はオンラインや合同企業説明会でしか企業さんとお話できないので、「第三の新しい就活の仕方」という形でオープンしました。なので、今日は就活に関する質問を沢山いただいております。まず、箕輪さんはどんな就活生だったんですか?

箕輪さん:僕はね、ほぼ全敗でした。就活って今までふざけていた友達が、急にスーツを着始めてまじめになるじゃないですか。斜に構えていたわけではないんですが、「急にそんな大人になれと言われても」とその流れに乗れませんでした。僕は本当に好きなことしかできない性格で、昔からバラエティ番組や雑誌・本が好きだったので、テレビと出版を受けまくりました。「テレビと出版なら寝ないで頑張れる、しかも才能ある気がする」と思っていて、それが無理だったら諦めて大好きな沖縄に移住しようと思ったんです。結局テレビと出版は全部落ちて、沖縄のリゾートホテルのパラソルを立てる係に内定しました。「一浪して早稲田入って、中学生でもできるパラソルを立てる係かよ」と思いながらも、それはそれで楽しみだなと思ってたんですよ。ただリーマンショックでそこが潰れて、内定取り消しになりました。就職浪人して、真剣に何回考えてもテレビと出版と沖縄しか考えられませんでした。2回目の就活は、本質を捉えることができて就活の方法がガラッと変わり、双葉社に内定しました。そこから出版社の社員としてのキャリアが始まりました。

武友:ありがとうございます。今日来ている学生の中で、起業願望がある学生がいます。その方から「社会人経験を積んでから起業するか、就職せずに学生のうちから起業するか迷っています」という質問が来てるんですが、どうでしょう。

箕輪さん:できるならやったらいいけど、できないでしょという話なんですよね。プランが決まってて自信があるならやればいいけど、右も左もわからない、社会の仕組みがわからない状態でやっても多分うまくいかないと思います。会社に入ってビジネスを学ぶのも起業の一部だと思います。目標に対して最短のアプローチが就職だと捉えればよくて、それが自分にとって意味のないことだと本当に思うんなら起業すればいいよ。

武友:箕輪さんは朝3時に会社に行ってがむしゃらに仕事をされていたということなんですが、やりたいことを見つけられていない学生の方が多いと思います。今日来ている質問の中にも、「コロナ渦で学生時代に力を入れたことが見つけられません」という質問が来ています。これはいかがですか?

箕輪さん:僕は本当に何も頑張らなかったんですよね。1回目の就活の時、めっちゃ頑張ったという設定にして嘘つきまくったんですよ。そしたら落ちまくりました。

武友:それは見抜かれたということですか?

箕輪さん:今思うと、そんな小手先の嘘なんて逆の立場だったら見抜けるんですよ。面接官と学生ってあらゆる上下関係がありすぎて、可愛いくらいにわかっちゃうんですよね。1回目の就活の時は、酔っ払いながらやっていたようなフットサルサークルなのに、「最初はバラバラだったけど僕がメンバーを鼓舞してまとめあげました」みたいなことを言って、落ちてたんですよね。2回目の就活の時は、「本当に飲んでただけです」と話したら通るようになりました。選ぶ側の心理としては、嘘をついて小手先で誤魔化そうとしている時点で評価対象じゃなくなるんです。どんなひどい学生生活でも、本音で話している時点でそれがいいか悪いかは置いといて、話を聞こうと思います。だから、本当に力を入れたことはなかったし、「ない」と言ってました。

武友:ありがとうございます。続いての質問、「就活の業界をどうやって決めればいいですか」という質問が来ています。

箕輪さん:僕がやったのは、①僕がどんな人間で②何がやりたくて③なぜその会社なのかという3つを、30秒でも3時間でも話せるくらい掘るということです。僕って唯一本当に何もしなかったんですが、その場を面白くすることはやってきた人間なんですよ。僕の性格もそうだけど、なくてもいいけどあったほうが世の中楽しくなるよねっていう仕事をやりたい、それだったら寝ないで頑張れる、だからエンタメだったんですよね。自分が①どんな人間で②何がやりたくて③なぜその会社なのかを嘘偽りなく言えるようになれば正解で、これが無理ならその会社にあってないんですよ。業界を考える時も同じだと思います。

武友:「就活が終わった後の学生生活で何をすべきか迷っています。箕輪さんだったらどのように学生生活を過ごしますか」という質問が来ています。

箕輪さん:旅一択だね。僕は地方に行って、見たことのない景色を見て、普段会わない人と会って、そこのサウナに行って、その土地のご飯を食べるというのが一番好きなんです。社会人になったらそんなことできなくなるから、とにかく時間の許す限り貧乏旅行でいいから世界や国内を見た方がいいと思います。旅をすると、自分が常識だと思っていることや自分が付き合っている人がものすごく偏っていることに気づいて相対化されるんだよね。相対化されないと自分の作るものや生み出すものがものすごく偏ったものになってしまいます。

武友:「就職浪人、就活の時期は、将来に対して漠然とした不安はありましたか」という質問はどうですか?

箕輪さん:めちゃめちゃあったね。周りはどんどんいい会社に入っているのに、僕は社会からはみ出るんだと思いました。でも仕方ないなとも思いました。だって普通に頑張れないから。就活は不安だしめんどくさいし辛いけど、不安がエネルギーになって頑張れるのだと思います。死ぬこと以外かすり傷だから(笑)

武友:静岡は東京と比べると、就活は2年間くらい遅れている印象があります。地方の就活生に質問すると、その質問をすること自体大丈夫かな?と思うくらい社会への感度が低いんです。

箕輪さん:いやいや、これは逆にめちゃめちゃチャンスだよ!タイムマシーン経営とよく言いますが、アメリカで流行ったものを日本に持って来れば2年遅れているから成功するみたいな。静岡が東京より2年遅れているなら東京に出てきてから静岡に戻ればいい。東京の就活というものがあるならば、東京で意識高い就活生と会ってレベルアップして戻って来ればいいじゃないですか。

 

□仕事に熱狂する

武友:「公務員試験の対策のコツを教えてください」という質問が来てます。

箕輪さん:公務試験受けてない…(笑)。あのね、本に書いていることは悩むべきことじゃないんですよ。誰もまだ答えを見つけていないことに悩んで、人に聞いたり本や映画を見て自分なりに予測することが大事だと思います。公務員試験とか司法試験とか毎年多くの人が成功していて、成功する方法がわかることってやるかやらないかだけです。やりたいかやりたくないかだけで、聞くことじゃないと思います。

武友:箕輪さんは「ハッタリをかましてでもチャンスを取りに行く」という考え方だと思うのですが、チャンスを掴むには信頼されることが大事だと思います。今日来ている質問の中にも、「箕輪さんは人の信頼を得るためにどれくらい自分の時間を割きますか」という質問があります。

箕輪さん:時間で考えてないな…。信頼は、逃げないでやり切れるかで、それって年齢を重ねていくと実績になると思います。今の僕が「箕輪が担当編集だったら絶対話題にしてくれるだろう」と信頼してもらえるのは、今までしてきた仕事の数字なんですよね。その数字がない時は熱意だと思います。だからこそ自分が熱狂できる仕事じゃないときついと思います。夢中でやっている人って、努力してやっている人よりも圧倒的に強いんですよ。努力では100点しか取れませんが、夢中になると105点、110点を取れます。プロフェッショナルの世界では100点からはみ出た5点、10点が価値になります。そう考えると、本当に好きなことに出会った人が超強いんですよね。難しいんだけど、本当に好きなことを選べる時間は就活くらいしかないと思います。

武友:ありがとうございます。質問がまだいろいろありまして、続いては「どのように情報を得るのがおすすめですか」という質問ですね。

箕輪さん:これよく聞かれるんだけど、義務でやってる時点で違うよね。なんとなく自分が興味あるなっていうジャンルを見つけたら徹底的に興味があって仕方ないみたいになるんじゃないかな。

武友:もし箕輪さんが今就活生だったらどんな業界で、どんなキャリアを考えますか?

箕輪さん:俺だったらベンチャーに入るかな。若干新しいけど足腰はちゃんとしているベンチャーね。NewsPicksと一緒に仕事をしてた時期は、労働基準監督署来るだろってくらい働いていました。でも文化祭の前日みたいな異常な熱があって、異常なスピードで成長したんです。そういうところで2〜3年やったらめちゃくちゃ成長すると思います。今だったら、ヒカルみたいにYouTubeで稼いでる人のところに行くかな。

 

□目的や意味を見つける

武友:社会人になったら必要になるスキルについての質問もあって、「社会人になったら必要になるスキルについて、会社員とフリーランスのそれぞれ知りたいです」という質問が来てます。

箕輪さん:職種や仕事によると思いますが、結局目的から逆算されることなので、どんなスキルが大事とか考えなくていいと思います。「起業したい」だったら、その解像度をあげて、どこの分野で起業して世の中にどんな影響を与えるのか、どれくらいの規模の会社を作りたいのか、具体的な目的を描いてそこに対してどういう努力と手段を講じるのかだと思うんですよね。スキル前提じゃなくて目的前提で考えた方がよくて、自分が何かをしたいと思っている人はなりふり構わずやって「こいつ生意気だな」と思われながらも学んでいくという方が正しい気がします。

武友:「私は逆算して行動することができないのですが、強みにするにはどうしたらいいですか」という質問も来てます。

箕輪さん:それは2つあって、「目的から逆算して今何をやるか」を考えるか、「今やりたいことを積み上げてどこかに到達するか」ですよね。逆算できないのなら今やりたいことを無茶苦茶頑張ればいいと思うんだけど、目的から逆算するというのは得意不得意じゃなくて基本ですけどね。できないって言うけど機械的にやればいいんじゃない?

武友:確かに、、。その他にも「気が乗らない時や落ち込んだ時はどのように乗り切っていますか、またどのように気分をコントロールしていますか」という質問が来てます。

箕輪さん:気が乗らない時は意味がないからなんですよね。時間があれば意味を問い直す作業をするべきです。でも世の中全ての仕事でそれができるわけではないから、自分なりに強引に意味を見つけるしかないと思います。「こんな意味のない仕事をやれる精神性も身につけておくか」みたいな。1番ダメなのは、意味がないことをやるのに慣れてしまうことだと思います。いわゆるエネルギーのないサラリーマンはそこと格闘することから逃げてしまった人なんですよね。格闘しないことに慣れたら終わりです。

武友:箕輪さんのチームに入ると本当に忙しいし、鬼のように仕事をさせられると本に書いてあったのですが、メンバーの方をどのようにやる気にさせているんですか?

箕輪さん:意味を伝えていますね。例えばデザインを発注するときは、「本のポスターとは思えないようなデザインを作ることで、本はおじさんが読むものという概念を変えたい」と発注します。具体的なデザインを発注すると作業になりますが、意味を感じられるとモチベーションになります。オンラインサロンはお金を払って仕事をするという謎の場所なので、意味に共感してもらえないと動いてもらえないんですよ。なので、意味に共感してもらって、それを話題にして、彼がお金以上の評価を得られるように設計しないといけません。お金を払って発注するより難しいのですが、仕事の本質のような気がします。今の若い人は特にそうですね。

 

□成功と失敗の条件

武友:経営をやられている方からの質問なんですが、成功者の条件を教えてくださいということです。

箕輪さん:絶対なのは自責思考かな。要は自分の人生を自分で決めているか、他人が決めているかなんですが、少なくとも起業家や経営者で他責思考の人はいません。本当にすごい人は、気候変動や戦争すら自分が関わっていると思うわけじゃないですか。だからすごい人はその規模がどんどん大きくなるっていうイメージかな。

武友:逆に失敗する人の条件はありますか?

箕輪さん:裏を返せば人に決められてるということですよね。自分で自分の人生を決定していないと、どんなに金があろうとも不幸なんです。衣食住のレベルで不幸なのは別ですが。自分で決定して行動していると、どんなに金や時間が無くても満足度が高いんですよ。仕事を頑張ったほうがいいのは、自分で自分の人生のハンドルを握れるようになるからです。自分がどう生きたいかをジャッジできるのが大事だと思います。

武友:ちなみにですね、「ロシアとウクライナの戦争により、日本の経済にどのような影響がありますか」という質問も来てます。

箕輪さん:こういう問題で大事なのは、自分はどう行動するのかを考えることだと思います。世界で起こっている全てのことは自分に関係しているから、自分はどう行動するのかを考えながらニュースを見ればいいと思う。自分の人生を主に考えないと、単なる情報に詳しいだけの人になってしまいます。

 

□箕輪さんのマインド

武友:「親のしがらみから抜け出すにはどうしたらいいですか」という質問も来てます。

箕輪:これはね、小さく小さく幻滅させ続けると、諦められる(笑)。僕は文春に載らなかったらなんでもいいって言われてるよ(笑)。親は心配だから子供のことを過小評価しますが、本人が楽しそうに夢中になって食べていければいいと思います。

武友:これからの時代、どういうマインドで生活すれば楽しく生きていけると思いますか?

箕輪さん:他人と比べないことですね。自分の好きなものがあればいいっていう人がこれから幸せになる人だと思います。今みたいな停滞期は、自分なりの幸せを見つけないとただ苦しいだけなんですよね。僕が『サウナランド』という雑誌を作った理由は、サウナをツールにそういう価値観を出したかったからです。人より優秀みたいな相対的な価値観じゃなくて、自分がこれが好きでこれが気持ちいいという価値観の方が良くないですかって。

武友:箕輪さんはコミュニティがたくさんあると思いますが、どうやって人と仲良くなるんですか?

箕輪さん:フットサルに来たらびっくりすると思うんですけど、「うっす」みたいな感じですよ。フットサルで本気でシュートして西野さんに「頭おかしいんですか」と言われたことがあるのですが、気を遣うのが嫌なんですよね。気を遣われると気を遣っちゃうじゃないですか。

武友:人に気を遣われない・・・わかるかもです。少し大きな問いなのですが、「箕輪さんにとって人生の意味とはなんですか」という質問も来ています。

箕輪さん:死ぬ時に幸せだって感じればいいという人が多いですが、僕はそうは思いません。今日楽しかった、じゃあ明日は楽しいかという一瞬一瞬しか考えていません。人生とは、100年の壮大な暇つぶしだと思います。人生に大きいも小さいも、偉いも偉くないも、正しいも間違ってるもないから、単なる100年くらいの楽しみ期間をやり切るだけですね。

武友:落合さんの書籍を編集される時は、落合さんの世界を理解するのに大変だったとか。編集していて理解するのが大変な場合は、どうするんですか?

箕輪さん:僕が理解できない時点で本にしちゃいけないんですよ。だから、僕がわからないから頑張るというよりは、僕にもわかるようにしてもらうって感じです。

武友:ありがとうございます。じゃあそろそろお時間になりますので…。

箕輪さん:今日令和になって1番楽しかったかも!またお願いします!

武友:本当ですか!? ありがとうございました!

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